「花喰いの竜」
ネーミングが素敵。
578年剣で刺し貫かれていたにもかかわらず、
陽気さとやさしさを損なうことのなかった竜。
けれども。
先の未来を決して語ることのなかった竜。
彼が心に秘めていた孤独と悲哀と絶望が刺さる。
一方、竜を刺し貫いていた剣を引き抜いたシルヴィエル。
彼もまた、命を賭した覚悟をその胸に抱いていた。
同族と祖国を失くした、この世にたった一匹と一人。
共に旅をしながら心を通わせていく様にあたたかな気持ちになれる。
どこまでもやさしい物語。
嬉しそうに花を食べる竜の描写がとてもとても好き。
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