きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「明日が世界の終わりでも」榎田尤利 (SHYノベルス)
表題他2作は旧版にて感想UP済。
描き下ろし『witness』は彼らの後日譚。
願った通りの時を過ごす彼らに安堵する。
『largo』
最後に噛みしめるタイトルと内容のマッチングがとても秀逸。
サティのジムノペディが心地よく響く。
芸術を志す者にとって、自らの力量と他人の才能との間で苦悩するのは避けられないこと。
20歳そこそこの若者たちが、音楽と向き合いながらままならない恋情に苦悩し、
次第に心を通わせていく物語。
その過程において、彼らの奏でる音が変化していく様子が、
とても綺麗に描かれていた。
心に響く音楽は魂で奏でるもの。
文字からそれが伝わるのは、榎田さんの筆力。
近々でピアノが弾けて良かったと思った瞬間は、
ちびっこたちを預かった時。
ぐずっていても音を奏でると興味津々な表情でピアノに耳を傾け、
かなり適当に弾く子ども向けの曲のオンパレードでご機嫌に。
いつかまた、真剣にピアノを習いたなぁと思う瞬間がないわけじゃないけど、
爪を短くする気がない時点でアウト(笑)
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