きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「花がふってくる」崎谷はるひ(ダリア文庫)
流麗な文章で静かに綴られる物語。
特に、涼嗣と夏葉の夏のシーンの美しさが印象に残りました。
崎谷さんらしくて崎谷さんらしくない文章だなぁと思った理由はあとがきで納得。
秋祐が傍にいることがあたりまえで、でも彼の気持ちにも自分の気持ちにも無頓着で。
「結婚」ということの意味も重さをないがしろにしすぎた涼嗣だけれども。
恋人との関係にきちんとけじめをつけ、秋祐と結ばれた後の彼の覚悟と想いの深さには
胸にジンとくるものがありました。
そして、ともすれば揺らぎそうな秋祐を包んで離さないその執着がいい。
二人の気持ちがとても丁寧に綴られていて、静かに進行した物語の余韻は
ちょっと切なくて心地よいものでした。
内容(「BOOK」データベースより)
大学助手の蓮実秋祐は、いとこの袴田涼嗣と同居している。同い年のくせに、際限なく甘やかしてくる涼嗣に、秋祐は密かに恋をしていた。近すぎる距離があたり前になっていた二人だったが、涼嗣が恋人・理名との結婚を決めたことから事態は大きく動き始める。秋祐は涼嗣への想いにピリオドを打ち、離れる決心をするが―。
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