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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「雪よ林檎の香のごとく」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



一人で壊せない殻なら、誰かに叩いてもらえばいい。
ままならない現実が辛かったら、誰かに想いを吐き出せばいい。
自分自身で己に課した戒めに雁字搦めになって、
前に進むことができずにいた不器用な二人。
距離を縮めていくエピソードの数々が、怖いもの知らずの高校生らしくて。
それなりの挫折を経験してきた教師らしくて。
ストン、と、胸に落ちました。
まとまってみると、大人げのなさ全開の桂がなんだかかわいい。
桂の幸せを見届けることができた喜びと安堵が伝わってくる、葉子の涙は良かった。
将来に対する心もとなさって、志緒の年代なら誰もが経験するもの。
だからこその青春。

栫のしたことはとりあえず説教部屋行きだけど。
みんな泣き寝入りしなかったのが良かった。
桂の啖呵は大人げのなさ全開だったけど(笑)
りかちゃん、良い子で可愛かったよ。


内容(「BOOK」データベースより)

中学受験も高校受験も失敗し、父の母校に進学する約束を果たせなかった志緒。今は、来年編入試験を受けるため、じりじりする気持ちを抱えながら勉強漬けの毎日を過ごしている。五月雨の降るある日、志緒は早朝の図書室で、いつも飄々としている担任・桂の涙を見てしまった。あまりにも透明な涙は、志緒の心にさざなみを立て―。静かに降り積もるスノーホワイト・ロマンス。期待の新鋭・一穂ミチのデビュー文庫。

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