きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「is in you」一穂ミチ(ルチル文庫)
ツキン、と、胸を刺されるような痛みを随所で感じながら、
読み切った後に残る印象は透明な穏やかさ。
10代の感性はまっすぐで瑞々しくて、歪みがないだけに、
噛み合わずに受けた傷はひどく痛々しい。
紆余曲折を経て13年ぶりの再会。
互いだけを一途に想いつづけたわけではなかった二人だけれども。
奥底に封じた想いは透明なままで、探り合って、誤解して、また傷ついて。
それでも、気持ちを寄せ合わせていく二人の距離感がとても良かったです。
圭輔の性格、すごく好き。
心理描写も情景描写も本当に綺麗で、
一穂さんの作品好きだなぁ、と改めて思いました。
後日談の圭輔視点の話は、やっぱり所々胸が痛かったけど、
合間合間に挟まれる圭輔の独白がかわいくておもしろかった(笑)
そして最初から最後まで美蘭がとても可愛かった☆
内容(「BOOK」データベースより)
香港からの転校生・一束は、日本にも教室にもなじめずに立入禁止の旧校舎でまどろんでばかりいる。そんな一束だけの世界を破ったのが、二つ先輩の圭輔だった。まっすぐな圭輔にやがて心を許し、どうしようもなく惹かれていったのに、向けられる想いを拒んでしまった一束―十三年後、新聞社香港支局長になった圭輔と仕事相手として再会し…。
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