きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「三日間の幸福」三秋縋(メディアワークス文庫)
【「あなた、永遠になりたくないの?」
「俺がいない世界で俺が永遠になっても、何も嬉しくありませんよ」】
寿命を売らずに気付けたら或は手に入れられたら良かったのになぁ……という出会いと幸福の物語。
それを言ってしまうと物語の根本が成り立たなくなっちゃうわけだけど。
でもね、どうせなら30日とか3日とか。期限切られずに笑っていたいじゃん!!
と、思うわけですよ。
とはいえ。
前半部、思わず眉をひそめてしまったのは、痛いところを抉られたから。
思い当たる節がないわけじゃないから。
うん。
人生って山あり谷ありだよね。
後半部は目に見えないはずのミヤギの存在が周囲に受けいられていく様子が微笑ましくてよかった。
そして語られることのない彼らの三日間。
彼らにとっては間違いなく価値のある幸せな三日間だったんだろうけど。
この世界に生まれ落ちた人として、やるせないものを感じずにはいられない。
内容(「BOOK」データベースより)
どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。未来を悲観して寿命の大半を売り払った俺は、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になるが、何をやっても裏目に出る。空回りし続ける俺を醒めた目で見つめる、「監視員」のミヤギ。彼女の為に生きることこそが一番の幸せなのだと気付く頃には、俺の寿命は二か月を切っていた。ウェブで大人気のエピソードがついに文庫化。
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