きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「あなたが消えた夜に」中村文則(毎日新聞社出版)
書物が醸し出す、圧倒的な存在感。
紛れもなく「中村文則」が生み出した作品なのだと、訴えかけてくる。
そこここで鳥肌が立った。
寂しい人たちが。
悪意に絡め取られた人たちが。
愛に迷子になった人たちが。
少しずつ道を踏み外し、後戻りできなくなっていく。
追っていたはずの犯人の意識の中に、気づけば取り込まれ、
その狂気の狭間に透ける哀しみに塗り込められる。
読み終わるまでは緩まなかった涙腺。
反芻しながら感想を打ってたら、何故かホロリと泣けてしまった。
寂しさと絶望の中に在る光。
それが見えるから、彼の作品は胸を打つのだ。
文庫を待とうと思ったけど、待ちきれずに単行本を買って正解。
冒頭部分から鷲掴みにされてしまった。
この本の凄さをなんて表現したらいいんだろう?
分からないからとにかく読んでみて!と、言いたくなる本。
やっぱり中村さんの作品、好きです。
内容(「BOOK」データベースより)
ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。“コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。人間存在を揺るがす驚愕のミステリー!
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