きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「しゃぼん玉」乃南アサ(新潮文庫)
人が人を変える。
人をダメにするのも、心根を入れ替えさせるのも、人。
腐りきった翔人を変えた、老齢の彼らと過ごす日々。
その日々がいくら穏やかに過ぎようとも、
過去はなかったことにはできない。
「行かなくていい」とは誰も言わなかった。
人生をやり直すためには、償わなければならないことを、誰もが知っている。
彼らは引きとめるのではなく、居場所があることを彼に知らしめる。
婆ちゃんの「待っちょる」
そして、シゲ爺の「行ってこい」
彼にとってはこれ以上の言葉はなかっただろう。
出逢いは、文字通り奇跡。
奇跡的に出会えた人たちとどう係るかは自分の在り様と努力。
大切にしたい。
祖母に会いたくなりました。
もう、絶対に会えないけど。
著者の作品で既読は『風紋』と『晩鐘』。
半端なく抉られるけど、とても好き。
今回の『しゃぼん玉』もとても良かった。
未読の既刊がたくさんあることが嬉しい作家さん。
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