きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ふたたびの、荒野」北方謙三(角川文庫)
【この街が、俺には強烈過ぎたんだ。
安穏な夢なんてものを、抱かせてくれはすない。】
長い間の抗争に終止符を打った最終話。
安穏な夢で良かったのに、と、叫ばずにはいられなかった秋山の死には涙が止まらなかった。
願った通り、仲間に囲まれて眠りについた下村。
ひとりで決着をつけに行ったキドニー。
いつだって身体を張って誰かを支えてきた川中。
何がそこまで彼らを駆り立てたのか。
問うことは無意味だ。
彼らにですら、説明することは不可能だっただろう。
「なにも、終わってはいなかった」
最後の川中の言葉が胸に刺さる。
川中がいるこの街に男たちは流れ着き、根を下した。
シリーズ10巻を通して描かれたのは、鮮烈に生ききった男たちの物語。
友情に篤く、権力と理不尽に屈しない男たちの物語。
一言で表すなら、北方浪漫。
しばらく引きずりそうな余韻を残したまま閉幕です。
内容紹介
ケンタッキー・バーボンで喉を灼く。だが、心のひりつきまでは消しはしない。張り裂かれるような想いを胸に、川中良一の最後の闘いが始まる。”ブラディ・ドールシリーズ”、ついに完結!
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