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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「サイメシスの迷宮 忘却の咎」アイダサキ (講談社タイガ)



あっさりとした頁数なのに、かなりヘビーな読み応え。
一人の人間に対して、あれだけの時間と労力を使って
あんな接し方をしてくる犯人の意図と狙いが不明確にもかかわらず、
粘質的なことだけは嫌ってほど伝わってくるので気持ち悪い。
神尾は羽吹に対して口やかましく世話を焼きつつ、
時々子どもっぽい感情を垣間見せるところが可愛い。
事件を通して語られる、それぞれの人間模様。
バックグランドが垣間見える程、やるせない気持ちになる。
幸せに塗れて生きていければいいけど、そうはいかない。
そして、衝撃的なラスト。
咎を負うべきは羽吹ではない。
諦めても、絶望してもダメだよ。


あっちもこっちも疑わしすぎて、どこまでが悪意によって仕組まれたもので
どこからが自然のなりゆきでそうなったのか、
突き詰めて考えていくと人間不信になりそう。
なので、真っ白な気持で続刊を待ちます。




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