きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「リナリアのナミダ」崎谷はるひ(ルチル文庫)
シリーズの中で一番好きな話になりました。
読後にいろんな感情がジワジワと染みてきて、思わず涙が零れてしまった。
辛さや困難から逃げ、闇に堕ちかけた佐光の手を引いて、
間違わないように、迷わないように、懸命に進むべき道へと導いた高間。
迷いの中にいた佐光が、周りの人たちの助けを得て、
ひとりの男として成長していく様が、とても自然に納得のいく形で描かれていました。
どうしようもない男だったけれども、高間の躰にその想いを刻んだ廉。
ただ高間を振り回しただけの存在だと思われていた彼の、死した後に伝わる切なる想い。
そんな廉の想いを読み解き、高間の過去ごと抱きしめられる男に成長した佐光は
心の底からカッコいいと思います!
ああ、ホント良い話でした!
内容(「BOOK」データベースより)
佐光正廣は、不運が重なり三年連続で受験に失敗し、二十一歳にして専門学校に入学した、いわゆる仮面浪人。荒んだ気分で煙草を吸う佐光に、「ここは禁煙」と学校の売店店員・高間一栄が注意してきた。以来、声をかけてくる高間を不愉快に思いながらもなぜか気になる佐光。ある夜、高間に助けられた佐光は次第に心を開き始め…。
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