きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「狐笛のかなた」上橋菜穂子(新潮文庫)
【どうしようもない思いってあるよね。
その思いを守るために、人から見たら、
ばかだなぁと思うようなことをしてしまうことも、あるよね。】
特別な能力を持った少女・小夜と、呪者の使い魔である霊狐・野火の物語。
権力や政治、そして恨みと妬み。
隣り合う国の大人たちの思惑に翻弄されながらも、
決して揺るがず、自らの想いを貫いた二人の生き様の、なんと潔いことか。
小夜と野火の想いはどこまでもやさしい。やさしくて強い。
その思いは、長年にわたる二国の諍いの火種を消してしまうほどの凛とした強さを秘めていた。
孤独の中に生きてきた二人が、よりそって生きる姿には思わず涙が出そうになりました。
私、逆だと思ってたんですけどね(笑)
読後にほんのり気持ちがあたたかくなる、純粋でとてもきれいな物語です。
内容(「BOOK」データベースより)
小夜は12歳。人の心が聞こえる“聞き耳”の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の“あわい”に棲む霊狐・野火だった。隣り合う二つの国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年・小春丸をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる…愛のために身を捨てたとき、もう恐ろしいものは何もない。野間児童文芸賞受賞作。
PR
COMMENT