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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「一鬼夜行」小松エメル(ポプラ文庫)



【死んだらそれまでだ。楽になどなれぬ。
 生きているからこそ辛くもなるが、その逆もある】

百鬼夜行の行列から落ちてはぐれた鬼の小春と、
そんな小春と厭々同居することになった鬼よりも怖い面の喜蔵。
家族や友達に裏切られ、人間など信じぬ、と、
周囲との係わりを疎んじながら生きる喜蔵の気持ちが、
人懐っこい小春との交流を通して少しずつほぐれていく様が心地よい。
小春も過去に様々な事情を抱えていろんな思いを飲み込んで生きてきたけれども、
なんだかんだ周囲に愛されてる妖怪だなーと思うのは、彼の心根がやさしいからなんだろうなぁ。
夜行の途中の妖怪たちがはぐれた小春を探して迎えに来る場面がすごく好き。
気持ちがあたたかくなるお話でした。

内容(「BOOK」データベースより)

江戸幕府が瓦解して五年。強面で人間嫌い、周囲からも恐れられている若商人・喜蔵の家の庭に、ある夜、不思議な力を持つ小生意気な少年・小春が落ちてきた。自らを「百鬼夜行からはぐれた鬼だ」と主張する小春といやいや同居する羽目になった喜蔵は、次々と起こる妖怪沙汰に悩まされることに―。あさのあつこ、後藤竜二両選考委員の高評価を得たジャイブ小説大賞受賞作、文庫オリジナルで登場。

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