「僕」は何故「君」を買うことにしたのか。
読み進めるうちに見えてくるものにドキドキと緊張が増していって、
思い描いた通りの理由に、ああ、と声もなく唸る。
どう足掻いても絶望しかなかった人生。
その先の未来予想図は描けずにいた史宏に差し伸べられた光。
たとえそれがどんな理由に端を欲するものだったとしても。
彼等の間には流れる月日の間に交わした情があり、育まれた愛がある。
与えられたものはとてつもなく大きく暖かく、そして優しさに満ちたものだった。
読み進める文字が掠れるのが嫌で必死でこらえた涙。
悲しみを乗り越えた先の幸いを希う。
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