きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「夜哭烏 羽州ぼろ鳶組」今村翔吾 (祥伝社文庫)
公的な決まりごとは、時に火急の事態が起きた際には枷になる。
それを悪用した卑劣な者たちによる悪意に塗れた放火。
大切な家族の命か、市井の民の命か。
計るべきものではないはずのものを乗せられた天秤の狭間で苦悩する火消したち。
苦境を打破しようと立ち上がった男たちの漢気と覚悟に痺れ、
仲間を思う気持ちの深さに打たれる。
そして、火消しの家族の女たちの気概と覚悟もまたカッコいい。
才覚のある上に立つ者が慕われている組は、組織として立派に機能するし、とても魅力的。
ぼろ鳶に新しい仲間が加わって、これからの彼らの活躍が増々楽しみ。
「土左衛門」の言葉の由来。
知ってた気もするけど、改めて教えられて、なるほど!となりました。
今回も刺さったのは左門の言葉。
「惚れた男の命に張る。これのどこが安い」
こんなセリフを真顔で真摯に言い切ってしまう男たちの物語。
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