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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「孤狼の血」柚月裕子(角川書店)



人は人に惚れる。人に尽くす。
信頼に応えるものは、やはり信頼。
違法行為を繰り返す大上に対する周囲の人たちの接し方を見ていると、そう思える。
そして、外道はどこまでいっても外道。
極道ではなく、外道を一掃するために刑事であり続けた大上。
自らの信念に基づく正義。
筋が通っていたからこそ、やくざ者たちも彼の正義に応えた。
仲間も彼を認めた。
それを目の当たりにしてきた日岡。
日岡と共に大上の在り様を認めてしまっている自分がいて、
だからこそ、やるせない思いに歯噛みすることになる。
プロローグとエピローグの位置づけが秀逸。
孤狼の血は確実に受け継がれている。

「こういうときこそいつもどおりにしとらんといけんのよ」
晶子の言葉が胸に刺さる。
腹を括った晶子の生き様もまた、カッコいいと思いました。
そしてカツの言葉に涙。
読後のもやっと感は「もっとこの話、読みたーい!」という、欲求からのもの。
もうちょっとこの物語世界に浸っていたかった。
小声で主張すれば、続編、とうよりは、その後の一之瀬に会いたい。←そこ!?
そして『公安捜査』を読みかえしたくなりました。


内容(「BOOK」データベースより)

昭和六十三年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく―。

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