きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「小説・震災後」 福井晴敏(小学館文庫)
【人間はいつだって“結果”を生きているのではなく、
“過程”を生きているのだから】
ニュースで誰かが言っていた言葉を耳にした。
「それは安全神話じゃない。安全願望だ」
言われてなるほど、と、思う一方で、
後付けの理由(理屈)なんて、いくらでも探せる、と思った自分もいた。
否定をすることは簡単だけど、じゃあ、その代替えは?何か案があるの?
誰かを責めるのは簡単だけど、いまは、悪者捜しをしている場合じゃない。
本当にやるべきことはなに?
必要なのは、目の前の事象と向き合い、立て直していくための、勇気と決断力と知恵だ。そして思いやり。
いろんなことを目の当たりにして、いろんなことを考えて。
自分なりにやれることを探して、実際にやってみて。
でも、それだって“結果”ではなく、単なる“過程”にしかすぎない。
そんなふうに思わされた。
解決していない問題は山積みで、時間だけが二年も経過してしまった。
だけど、小さなことでもやらないよりは全然良いし、
何かをやりたくても、実際にはそれをやれない人もいることもわかっている。
結局、この先の世界がどうなるのか。
わかっている人なんて誰もいなくて、みんながそれぞれの立場でいろんなことを考えて、
探りながら未来へとつなげている。
現在、という、この時を。
納得のいく未来であることを願いたい。
と、重い話ばかりじゃアレなので。
蛇足っぽいけどどうしても言いたいこと。
渥美さんにまた会えたのがなんだかうれしかった。
読んでいてとってもテンションが上がった場面。(笑)
思わずイージスを引っ張り出してきたけど、ちゃんと読むのはまた今度。
内容(「BOOK」データベースより)
二〇一一年三月十一日、東日本大震災発生。多くの日本人がそうであるように、東京に住む平凡なサラリーマン・野田圭介の人生もまた一変した。原発事故、錯綜するデマ、希望を失い心の闇に囚われてゆく子供たち。そして、世間を震撼させる「ある事件」が、震災後の日本に総括を迫るかのごとく野田一家に降りかかる。傷ついた魂たちに再生の道はあるか。祖父・父・息子の三世代が紡ぐ「未来」についての物語―。『亡国のイージス』『終戦のローレライ』の人気作家が描く3・11後の人間賛歌。すべての日本人に捧げる必涙の現代長編。
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