きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「遮光」 中村文則(新潮文庫)
【現実を見ないために、私は敢えて
そういう演技を自分に課したのかもしれなかった】
それは純愛か?狂気か?
両親を亡くし、作り上げた自分を演じながらひとりぼっちで生きてきた主人公が、
ようやく手に入れかけた幸せ。
だが、その幸せは、ある日突然彼の手をすり抜けて、永遠に手の届かないものとなってしまった。
失った幸せを言の葉に乗せる嘘で取り繕いつづける日々。
あたかも、そこに在るかのように。
けれども、砂の城はいつかは崩壊する。
必ず。
あたしがこの本から受け止めたのは、純愛でも、狂気でもなく。
どうしようもない寂しさと哀しみ。
故に。
ラストは泣けて仕方なかった。
内容(「BOOK」データベースより)
恋人の美紀の事故死を周囲に隠しながら、彼女は今でも生きていると、その幸福を語り続ける男。彼の手元には、黒いビニールに包まれた謎の瓶があった―。それは純愛か、狂気か。喪失感と行き場のない怒りに覆われた青春を、悲しみに抵抗する「虚言癖」の青年のうちに描き、圧倒的な衝撃と賞賛を集めた野間文芸新人賞受賞作。若き芥川賞・大江健三郎賞受賞作家の初期決定的代表作。
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