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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「幸福な食卓」瀬尾まい子(講談社文庫)



読後にジワリと涙がこみ上げました。
不器用でも、回り道をしても、懸命に前にむかって歩いていこうとする人たちの物語。
ちょっとびっくりする宣言も、おおらかに受け入れる家族。
だけど、それは彼らがとても苦しい思いをしてきたから。
奔放なようで、実は誰よりも家族のことを考えているから。
そこここから滲むやさしさが、時に切なくてあたたかい。
「家族は作るのは大変だけど、その分めったになくならない」
懸命に言葉を紡ぐヨシコの慰めは、胸に響いた。
母だけは私を裏切らないと、どこかで確信できていた若かりし頃の人生の迷走期。
だから安心して迷えたし、決断もできた。
母に心から感謝ですね。
大浦くんの存在は本当に癒しでした。

「どんなにショッキングなことがあっても、日常はきちんと進んでいく」
それが、人の営み。
わかっていても、哀しい時は哀しい。
でも、涙は我慢する必要はないと思います。


内容(「BOOK」データベースより)

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて…。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。吉川英治文学新人賞受賞作。

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