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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「愛罪(Uxoricide)」五條瑛 (双葉文庫)



その先にあるのが奈落の底だったとしても。
それが自分で選んで進んだ道の終着点であるならば、
納得もするだろう。
だが、無自覚に誘われて進んだ道の先が破滅であったら?
気づかないうちに選択肢が奪われていることが怖い。
愛故に罪を犯したと?
違う。
男は変態性欲に溺れて女を毀した。
母を奪われた子どもは憤る権利があるけれども。
男に丸め込まれた感が否めない。
そして更に質の悪いモノに絡みつかれていることに気づかないのは
幸か不幸か。
エナの怒りの発露の仕方は間違っている。
他力でしか成し遂げられない復讐はしちゃいけない。

折り返し地点の5巻。
不穏な気配がむんむんと漂っているけれども。
致命的な、あるいは決定的な事態はまだ起こらず。
水面下では陰謀が着々と進行し、
このまま彼らの意図する方向に物事が動いていくのか?
どこかで破綻するのか?
気になりポイントがありすぎて、続き、いきまーす!


本編の感想は単行本の方で投稿済み。
文庫の書下ろし短編のタイトルは「新宿水族館」。
意図するところは想像した通り。
人種、国籍、年齢、性別。
多種多様な人々が生活する街、新宿。
東北人の私から見たら街の規模が大きすぎて、
水槽の魚みたいに一人でスイスイ移動することは不可能。
待ち合わせた相手から
「事故で電車が動かなくなって何時にそっちにつくか不明。適当にお店みてて」と連絡があった時には、
身近な喫茶店に入って待っている以外の選択肢がなかったなぁ。
でもバッグには常に本が一冊。
待つのは全く苦にならないのです。


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