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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「朗読者」ベルハルト・シュリンク(新潮文庫)



【彼女は常に闘ってきたのだ。
 何ができるかを見せるためではなく、何ができないかを隠すために】

青春時代の想い出で終わるはずだった。
彼女と再び出会うことがなければ。
思いもよらない場所でハンナと再会したことにより、
彼は過去の自分と、現在の自分の在り方と向き合うことになる。
そして、その行為は彼の未来にも少なからぬ影響を与えることとなる。
彼女は何故死を選んだのか?
読者は想像するしかないわけだけれども、「わたしへの手紙はありませんか?」
この一言にすべてが集約されていると思えてならない。
彼女は知りたかったのだと思う。彼の自分に対する想いを。
「彼女はあなたと一緒に字を学んだんですよ」
彼の声に耳を傾けながら字を学んでいった彼女のひたむきさが切なかった。

【ガーディアン必読1000冊】
初読の時「うそでしょ?」と叫んだ自分を覚えています。
これは再読することを推奨したい本。
二度目に読んだ時、随所にちりばめられたハンナの事情が読み取れて、
何とも言えない気持ちがこみ上げました。


内容(「BOOK」データベースより)

15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」―ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。

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