きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「おとぎ話のゆくえ」一穂ミチ(ルチル文庫)
【ずっとこのままでいられますように】
移ろいゆく季節と共に、変化を来していく心。
育ちも環境も性格も、共通するものをなに一つ持たない二人。
湊は湊のまま、隼人は隼人のまま。
核となる部分は何一つ損なわれないまま、
それでも、お互いの影響をうけあって自然に兆す変化が丁寧に描かれていて、
伝わってくる彼らの想いがとても切なかった。
自分の気持ちを押し通すのではなく、相手の立場を慮って身を引こうとする恋。
すれ違わなくてよかった。諦めなくてよかった。
心の底から、そう思います。
前途は多分多難なんだろうけど「ずっと一緒にいる」という湊の言葉が
彼らの未来を語っていることを信じます。
慎の立ち位置がおもしろいなーと思いました。(褒めてます)
彼のスピン、あったら読みたい。
隼人が吾川の人たちに自然と受け入れられている感じになんだか安心した。
そして犬蔵と電話するシーンが妙にツボでした。(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
ふらりと東京を出て、北の地方都市へと流れついた来杉隼人。そこに未だ息づく「お殿様」の存在に驚き、ばかばかしいと嘲って町の人たちから眉をひそめられるが、彼らが慕う若様―高校生の野衣湊にはどういうわけか懐かれてしまう。あまりにまっすぐな湊に苛立ち、どこかであわれみ、面白がっていた隼人は、いつしか湊を大切に思い始めて…。
PR
COMMENT