きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「望郷の道 下巻」北方謙三
まっすぐに生きたその先に輝く一番星。
この物語で正太が築きあげたものが、まさしく「望郷の道」。
日本を出てからの彼らの生き様を追いつづけ、
正太と瑠瑋が藤の家の門を潜る場面には胸が震えた。
二人、足りない部分を補い合い、全力で支え合いながら過ごした台湾での日々。
瑠瑋の優しさと豪胆さ、そして度胸の良さには
本当に惚れ惚れする。
喧嘩の仲裁シーンは見事だった。
正太の才覚なくして「七富士軒」の成功はありえない。
そして、瑠瑋なくして、正太の成功はありえなかっただろう。
そんな瑠瑋の泣き笑い。
とても素敵な笑顔で幕を閉じる物語。
佐賀に行った直後に読めたことに、北方との「縁」を勝手に感じました。
姑息に立ち回らず、苦難にも真正面から向きあって努力をすれば、
見合うだけのものが返されるのだと、教えられた気がします。
内容(「BOOK」データベースより)
失意の正太は台湾へ。心に虚無を抱えながらも、日々懸命に働く。そんな正太の前に、海を渡った瑠〓(い)が幼子を連れて現れた。再会を果たし活力を得た正太は菓子屋「七富士軒」を創業し、商いの世界で熾烈な競争を繰り広げる。やがて頭角を現した正太は、ある想いを実現するために動き出すが―。日本人のものづくりへの情熱を謳いあげた感動巨編。
PR
COMMENT