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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「本当の戦争の話をしよう」ティム・オブライエン(文春文庫)



連なるいくつもの短編で綴られるのは、戦場での若き兵士たちの日常。
故国から遠く離れたヴェトナムの地で、
友と笑いあい、ジョークを交わし、彼女の話をする。
けれども、そこには地雷があり、砲撃があり、ふいに訪れる死がある。
逃げ出したくなるような恐怖心を押し隠しての行軍。
友の死に責任を感じ、殺した男の死を背負い、
帰国しても、彼らの心の片隅に常に在りつづける戦場。
個人的には『レイニー河で』が秀逸。
徴兵に怯えるティムをただ黙って見守り続けたエルロイの存在は大きかった。
何のための戦いだったのか?
それを問うことは一切なく、本書はただ、兵士たちの日常を語り続ける。
だからこそ、死についてい考えさせられ、じわじわとこみあげる想いがある。
生きて帰ることこそが、彼らの重要な任務。
そう思うことは、感傷だろうか?


内容(「BOOK」データベースより)

日ざかりの小道で呆然と、「私が殺した男」を見つめる兵士、木陰から一歩踏み出したとたん、まるでセメント袋のように倒れた兵士、祭の午後、故郷の町をあてどなく車を走らせる帰還兵…。ヴェトナムの・本当の・戦争の・話とは?O・ヘンリー賞を受賞した「ゴースト・ソルジャーズ」をはじめ、心を揺さぶる、衝撃の短編小説集。胸の内に「戦争」を抱えたすべての人におくる22の物語。

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