きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「さよなら一顆」一穂ミチ(ディアプラス文庫)
未来は予測不可。
自分の気持ちの行方すら、今の自分にはわからない。
どこにでもいる、ごく普通の社会人男子が二人。
出逢い、互いを知りたいと思い、そして、恋に落ちる。
特別劇的なエピソードは何もなく、ありふれた日常の中で静かに進行していく恋。
人との距離感の計り方がわからなかった比呂が、榛名と話すことによって
懸命に他人と対話しようと試みる。
嫉妬とかめんどくさいしありえないし、というスタンスだった榛名が、
比呂を深く知るにつれ、独占欲を知ることになる。
会話を重ねるごとに寄り添っていく二人の想い。
そんな二人の会話がとても好き。
今回は会話の応酬で読ませる物語だったような気がします。
静かな物語だけど、なんだか印象深かったです。
これ、再読したらよりジワッときそうだわ。
内容(「BOOK」データベースより)
それは7月3日、涙の日と言われる日だった。中古貴金属買取店に勤める座波は、閉店間祭に婚約指輪を売りにきた男性客に気まぐれに夏みかんを振る舞った。無表情で淡々としていた男がふいに「おいしい」と言って涙をこぼし、その出来事は妙に印象に残った。だが数日後、ホテル街で女にひっぱたかれた場面を、伴の客・矢神に目撃され…?愛を見失った男と心を見失った男の、センチメンタル・グラフィティ。
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