きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「東京輪舞」月村了衛(小学館)
「警察なんかに入ったばっかりに」
現場で必死になって駆けずり回った警察官にそう言わしめる組織の在り様とは何なのか。
懸命な捜査の果てに握りつぶされた真実。
その徒労と空疎さに募る虚しさは腹立たしく、やるせない。
だが、警察がなくてはならない組織なのも事実。
どう在るべきか。
理想を述べることができても難しいね。
昭和と平成の時代を揺るがした、耳に覚えのある事件の数々に肉薄する物語。
緻密な取材に基づき、核心に迫るその筆力に引き込まれる。
事件とそして警察という組織に振り回され続けた砂田。
だが、彼の信念はぶれることはなかった。
重厚な読み応えに大満足の読了!
時にすれ違うだけの関係だったからこそ生じたロマンス。
クラーラと砂田の関係がとても良かった。
そして二人の選択した生き方もカッコよかった。
取り扱っている事件はこちら。
「ロッキード事件」「東芝COCOM違反」「ソ連崩壊」「地下鉄サリン事件」「長官狙撃事件」
「金正日不法入国」
警察小説であり、これらに係り続けた男の生き様の物語でもある。
一気読みさせられる面白さでした。
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