きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「色悪作家と校正者の純潔」菅野彰 (ディアプラス文庫)
正祐の大吾に寄せる愛の深さといとけなさと純真さに感動すら覚える本巻。
あそこまで一途に想われたら、人としての冥利に尽きるんじゃないかな。
他人との関係性が希薄で、内の世界に籠って生きてきた二人には
人として大切な何かが欠けていて。
二人でいることによって気づきがある。
その言葉の応酬と内省が私はとても好き。
白洲の大人な対応も、擬態できる本性も、忖度できるずるさも。
何もかもが素敵なんですけど~~!もっと絡んで欲しい。
ラスト2頁のやり取りを何度も反芻してはドキドキ。
麻々原さんのイラストで視覚的に拝みたい。
私が『こころ』とは相容れないと思った理由は作中でお姉さんが語った理由と一緒。
そして、あの時代の作者とは相容れないと思った理由は
「この人たちとは仲良くなれない(考え方が納得できない)」と思ったから。
とは言え、太宰にだけは傾倒したその頃の私はまだ10代。
そこから延々と敬遠し続けてきた彼らの本を今読んだら感想が変わるのかしら?と、
興味深々ではあります。
因みに、頑張って何人かの作品を読み、
武者小路実篤に至って、あの時代の作者と決別することを決めました(笑)
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