きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「煤煙」北方謙三 (講談社文庫)
煙草の煙を吹きかけながら(吸わないけど)
「めんどくさい男ね」と、言ってやりたい人がいました。ここに。
破滅願望結構。
毀れたいなら毀れてしまえばいい。
それを徹底して貫いた生き方は彼なりの矜持と取っていい。
でも、自らの滅びに他人を巻きこんではいけない。
拗らせてる感がどうしても拭えなくて、あ、めんどくさい……と。
職業は弁護士。
法律で武装して戦えるから余計に厄介。
だけど、彼の周りには人が集まる。
向けられた好意。
差し伸べられた手。
望めば手に入った安寧。
だけど、彼は何処までも餓えていて、どこまでも孤独だった。
船上でヤクザとやりあったシーンが印象的。
そして、「(自分を)食いやすいようにする」って
どういうことなんだろう?と思ったけど。
あの状況ではそれ以外にないって言う、衝撃だけど納得の行動だったわ。
久々の北方現代物。
馴染んだ空気感がとても居心地良かった。
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