きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「機龍警察 自爆条項〔完全版〕」月村了衛 (ハヤカワ・ミステリワールド)
近頃の梅雨空と同じどんよりとした鈍色に覆われた、
ライザの過去と現在の虚無と共に進行する物語。
自分で選んだテロリストとしての生き方。
そこからの逸脱。
選びはしたが、望んだ道ではない。
過去の呪わしい出来事を現在を生きる者が贖わなければいけない
理不尽がやるせない。
暗鬱とした想いに呑み込まれたまま迎えた最終章。
世界が一気に震撼する。
色のない世界を染めたのは、
あまりにも鮮烈な殺戮と破壊。
ここで生きる「ジャム」のジンクス。
度重なる不運はこの日の為。
プロットのうまさに震えが走る。
そして、彼らの負った責務の重さに。
一度読み始めたら、頁を捲る手が止まらなくなる作品。
情報操作による事件の誘導。
リアルにどこかで起こっていそうで薄ら寒い。
PR
COMMENT