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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「機龍警察 自爆条項 上」月村了衛(ハヤカワ文庫JA)



【愛国者であるということと、誇りを抱いて生きるということはまた別だ】

日本警察に中国黒社会、そしてアイルランドのテロ組織。
過去と現在を織り交ぜながら語られる物語に強烈に引きつけられる。
事件を描きながらも、相変わらず「人間」が深く掘り下げて描かれているのがいい。
それぞれが抱えた想いがあり、柵がある。
だから彼らに寄り添える。
日本警察に属する<傭兵>ライザの過去が、息が詰まるほどに重い。
血筋だけで投げつけられてきた侮蔑や憎悪。
だが、窮屈で生き辛い環境に身を置きながら、父は叫ぶ。
「ライザには自由が必要だ」と。
息苦しいその世界での生が、彼は自由だという。
真実を知り得ることが自由だと感じたライザが飛び込んだ世界で何を見たのか。
この巻では語られてはいない。

事件を巡っての駆け引きや腹の探り合いも相当おもしろい。
そして前作の延長に今作がある。
最後の沖津の言葉に捜査員たちと同じように総毛立ちながら、下巻へ。
ものすごいわくわくする。

内容(「BOOK」データベースより)

軍用有人兵器・機甲兵装の密輸事案を捜査する警視庁特捜部は、北アイルランドのテロ組織IRFによるイギリス高官暗殺計画を察知した。だが特捜部には不可解な捜査中止命令が。首相官邸、警察庁、外務省、そして、中国黒社会の暗闘。やがて、特捜部の“傭兵”ライザ・ラードナー警部の凄絶な過去が浮かび上がる。世界標準のスケールと圧倒的リアリティを持ち極限にまで進化した“至近未来”警察小説、戦慄と驚愕の第二弾。

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