きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「機龍警察 自爆条項 下」月村了衛(ハヤカワ文庫JA)
すべてを失ってしまってはじめて気づく幸せ。守られていた自分。
けれども、一度血塗れた道を歩み始めてしまったからには、後戻りはできない。
それも、自らの意志であり、選択である。
戦いつづける日々に安寧はない。
だが、今のライザは孤独であったとしても、独りではない。
特殊な立場にある姿、ユーリ、ライザ。
そんな自分たちを仲間であり仲間でない、と、自問するユーリ。
「俺たちを撃てるか?」とユーリに問われ「撃つ」と躊躇いなく答えるその口で、
珈琲のおかわりを訪ねる姿の抱える闇も、相当に深い。
警察内部に巣食う実態のつかめない「敵」は、確実に身近にいる。
ドロリとした不穏な気配を拭えぬまま、次作へ。
警察官の誇りを貫こうとしている特捜部のみんなの努力が真に報われる日が来るといい。
それにしても……
副題の「自爆条項」の意味が明らかになった時は思わずうなるしかなかった。
内容(「BOOK」データベースより)
ライザ・ラードナー、警視庁特捜部付警部。そして元テロリスト。自らの犯した罪ゆえに彼女は永遠の裏切り者となった。イギリス高官暗殺と同時に彼女の処刑を狙うIRFには“第三の目的”があるという。特捜部の必死の捜査も虚しく国家を越える憎悪の闇が遂に見せる最後の顔。自縄自縛の運命の罠にライザはあえてその身を投じる。過去と現在の怨念が東京迷宮で狂おしく交錯する“至近未来”警察小説、慟哭と死闘の第二弾。
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