きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「水よ踊れ」岩井圭也( 新潮社)
戦争に、そして政治に翻弄された国、香港。
国案法が施行された時のニュースはいまだに記憶に新しい。
その国に暮らす人々の物語。
一人の少女の死の真相を知るために、交換留学生という立場で香港に渡った和志。
彼がこじ開けた物語は、圧倒的な熱量をもって、訴えかけてくるものがあった。
自分の意志だけではどうにもならない環境に翻弄される人たち。
抗い、阿り、諦め、憤り、誇り、後悔。
様々な想いを抱えながらも、逞しく明日へと命を繋ぐ人たち。
「自由」を奪われた彼等が見出した「自由」を手にするための方策。
彼等の描いた未来に幸あれ。
自分の国が自分が望まない変化を遂げた時、どうするのか?
いくつもの見解が作中で述べられている。
自分に近いもの、理想的なもの、納得できるもの。
それぞれを噛みしめる読後。
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