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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「水滸伝14 爪牙の章」北方謙三(集英社文庫)



移ろいゆく時間の分だけ、様々な出来事が起こる。
戦の最中にあっても、家庭を持つものが増え、恋に患う者がいる。
史進と鄒淵の、いかにもな男子らしい屈託のない振る舞いが大好きだ。
指揮官と部下であり、かけがえのない友でもある。
だからこそ「行くよ、俺」の言葉が胸に刺さった。
王進の元で暮らした者たちの活躍が目覚ましい。
悲しみの光を宿した張平が、歳の近い楊令と共にどう成長していくのか。
これからが楽しみだ。
梁山泊の殲滅を掲げ、総力をあげて進軍してきた官軍。
数での圧倒的な不利を梁山泊側はどう凌ぐのか。
膠着した状況下での花栄の一矢はあまりにもお見事。
だが、ここから苦しい展開が続く……

小説は書き出しの一文が大事!という話を読友さんがされていましたが。
私、この巻では後書きの書き出しにぎゅっとやられました。
そうだよね、と、とってもとっても頷きました。
うん。私、この時代、この場所に生まれてきてよかった。
そうじゃなかったら、今つながっている皆と出会えなかったから。
今、こうして楽しく読んでいる本と出会えなかったから。
そして、『ゲバラ日記』を読みたくなるわけですが……
どこにしまってあるかはわかっていても、発掘するのが大変なのです(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

梁山泊は、威勝の田虎の叛乱が青蓮寺の策略だと看破した。近くの石梯山に魯達や鄒淵らを派遣し、切り崩しを図る。しかし、田虎に雇われた張清が、精強な傭兵部隊を率いて立ちはだかった。一方、官は梁山泊の完全殲滅を決意する。禁軍・地方軍・水軍あわせて20万の軍兵を投入してきた。兵力で圧倒的に劣る梁山泊に対し、空前の規模の攻撃がついに始まる。北方水滸、焦眉の十四巻。

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