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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「海賊と呼ばれた男 上・下」 百田尚樹(講談社)





【たとえ九十九人の馬鹿がいても、正義を貫く男がひとりいれば、
 けっして間違った世の中にはならない。
 そういう男がひとりもいなくなったときこそ、日本は終わる】

人は人とつながり、人のために手を差し伸べる。
同じ目的のために個々の力があつまれば、とてつもなく大きな力を産む。
それこそ、国をうごかすほどの。
国岡が最後まで己の義を貫き通すことができたのは、
彼の志に魅せられ、その漢気に惚れた人たちの助力があったからこそだ。
だが、それだけの男たちを惹きつけてやまない国岡の人としての器の大きさには、
ただひたすらに感服するばかりだ。
想像を絶するほど過酷な状況下で、互いを信頼しあい、希望を持ちながら働ける環境にあった彼らがうらやましい。
使命感を持ち、全社員が一枚岩となってやり遂げる仕事には、とてつもない喜びとやり甲斐があったに違いない。
そんな環境を作り出した国岡は、やはり時代の傑物だったのだと思う。

戦後の混乱をわずかの年数で収め、そして高度な成長を遂げた日本。
国岡鐡造という男の人生を通して、戦後の日本だけではなく、世界の情勢までもがとてもわかりやすく語られた物語だった。

内容(「BOOK」データベースより)
敗戦の夏、異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造は、なにもかも失い、残ったのは借金のみ。そのうえ石油会社大手から排斥され売る油もない。しかし国岡商店は社員ひとりたりとも馘首せず、旧海軍の残油集めなどで糊口をしのぎながら、たくましく再生していく。20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男とはいったい何者か―実在の人物をモデルにした本格歴史経済小説。

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