忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「疾走・上」重松清(角川文庫)



【あの頃には二度と戻れない。
 すべてがあの頃とは変わってしまった】

知らず、泥沼に嵌りこんでいくような負の連鎖。
絡みつくような悪意。崩壊する家族。
こうなる未来を止めることのできる術があったのだとしたら。
シュウイチに対する両親の態度にあったかもしれない。
だが、親だという理由だけでは強く在ることができない人もいる。
そして、あるがままの自分を受け入れることができなかったのは、シューイチの弱さだ。
思い詰めたシュウジを引き留めたのは、あまりにも日常的な情景。
その日常が叩き壊されてしまったことが、なんだかやるせない。
その目に宿った闇。
願った方向とは真逆へと向かってしまったシュウジの人生。
息苦しさを引きずったまま、下巻へ。

「孤立」「孤独」「孤高」この定義にはなるほど、と、納得。
既視感を感じた語り口調。
何かと思ったら丸山健二の『争いの樹の下で』を彷彿とさせられました。
誰の視点なのか、下巻で明らかになるのかな?



内容(「BOOK」データベースより)

広大な干拓地と水平線が広がる町に暮す中学生のシュウジは、寡黙な父と気弱な母、地元有数の進学校に通う兄の四人家族だった。教会に顔を出しながら陸上に励むシュウジ。が、町に一大リゾートの開発計画が持ち上がり、優秀だったはずの兄が犯したある犯罪をきっかけに、シュウジ一家はたちまち苦難の道へと追い込まれる…。十五歳の少年が背負った苛烈な運命を描いて、各紙誌で絶賛された、奇跡の衝撃作、堂々の文庫化。

拍手

PR
  

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 5 6 7 8
11 12 13 15 16
18 19 21 23
24 25 26 27 28 29 30

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]