きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「翼をください」原田マハ(角川文庫)
それはまさしく偉業である。
そして、偉業の陰にはとてつもないドラマがあった。
決して世界に発信されることのないドラマが。
けれども、そのドラマは人知れず、語り継がれる。
熱い想いと、純然たる想いを込めて。
全世界を巻き込んだ大戦へと世情が向かう中、
多くの人々の夢を乗せて世界一周という偉業を成し遂げた「ニッポン号」。
それをあの時代に成し得たという事実に、ただ驚嘆する。
共に苦難を乗り越えた搭乗員たちを結ぶ絆が眩しい。
「どこかでつながっている世界で、僕らは生きている」
世界はひとつ。
彼らの飛行が、彼女の存在が、そのことを証明してくれた。
トラビスとの交信のシーン。切なくてたまらないけど、とても好き。
「もしも、許されるなら、私に翼を」
大きく羽ばたくことのできる両翼で、どこまでも高く、どこまでも遠くへ。
もしも、翼を得ることができたなら、私はどこに飛んでいくのだろう?
内容(「BOOK」データベースより)
カンザス州の田舎町に生まれ育ったエイミー・イーグルウィングは、女性として初めて大西洋横断飛行に成功するなど、数々の記録を打ち立てていた。大空を自由に駆けることに魅了されたエイミーは、空から見た地平には国境が存在しないことに気づく。世界平和のために、自分は飛ぶのだ、と。その強い信念はやがて彼女を、世界一周に挑む「ニッポン号」との邂逅へとみちびく。数奇な真実に彩られた、感動のヒューマンストーリー。
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