きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「贄の夜会 下巻」香納諒一 (文春文庫)
諸悪の根源は勿論犯人。
だけど、命懸けで現場を駆けずりまわっている刑事たちの脚を引っ張りまくった警察上層部!
何やってんの!と言いたくなる為体。
見て見ぬふりをするのは罪。
だけど、上から強要される見て見ぬふりにどうやって抗えばいいのだろう?
だから彼は自ら死を選ぶしかなかった。
だから彼はその警察を辞める決意をするしかなかった。
だから彼は満身創痍の身体を引きずって、自ら銃を手にするしかなかった。
愛に殉じた男と、再び愛を手にした男を描いて物語は幕を下ろす。
男が決意した道を歩みつづけることは茨の道。
だけど、やり遂げてほしい。
「慟哭」からの「暴走」。
これ以外はない決着なんだろうなぁ。
くっそー。
ギリギリした気持ちが込み上げる。でもこのやるせなさ、嫌いじゃない。
打ちひしがれて弱りきった時に受け止めてくれる人がいた大河内は幸せだ。
拠り所のない人たちは、ただひたすらその苦しみを耐え抜くしかないのだから。
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