きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「遺体」石井光太(新潮社)
津波で亡くなった一人でも多くの方々を家族の元へ帰そうと、
そして、土葬が検討される中、何とか火葬して供養できるようにと、
一心不乱に努力した数多くの方々へのインタビューをまとめたルポルタージュ。
遺体を丁寧に扱い、語りかけ、身元を示すものを見つけ出そうと、
懸命に努力する数多の人たち。
一人一人がそれぞれの立場で今の自分にできることを。
模索しながら十分すぎる程心血を注いでいるにもかかわらず、
それでも、他にもっとなにかできることが、と、自らに問う姿勢に胸を打たれた。
津波に流されて建物が何もなくなった土地に、
穏やかな日差しが降りかかる光景を見た時、涙が溢れて仕方がなかった。
内容(「BOOK」データベースより)
あの日、3月11日。三陸の港町釜石は海の底に沈んだ。安置所に運び込まれる多くの遺体。遺された者たちは懸命に身元確認作業にのぞむ。幼い我が子が眼前で津波にのまれた母親。冷たくなった友人…。悲しみの底に引きずり込まれそうになりながらも、犠牲者を家族のもとへ帰したい一心で現実を直視し、死者の尊厳を守り抜く。知られざる震災の真実を描いた渾身のルポルタージュ。
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