きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ワンダーリング」一穂ミチ(ディアプラス文庫)
分かり合えないからこそ惹かれ、相容れないからこそ、
相手の存在に苛立って、もどかしくなる。
雪が藤堂にだけズバズバ物が言えて突っかかれるのは、
裏を返せば彼にだけ甘えられるということ。
素直になれないのは、ありのままの自分を認めてもらえないことへの反発。
柔和で穏やかな性質だと思っていた藤堂が見せつけた強心臓っぷりがかっこよくて、
裏カジノでのやりとりにはドキドキしました。
そして悔しさに泣く雪は、本当にルーレットが好きなんだなぁ、と。
令輝のけじめのつけ方は、相当粋な計らいだった。
ここでの雪の涙は安堵と感謝の涙。
藤堂の包容力は底なしだと思うので、安心して振り回すとよいと思います(笑)
前作から想像していた藤堂と雪のイメージがまったく違っていて、
最初は戸惑いつつも、脳内で軌道修正(笑)
藤堂は思っていたよりも真っ当な感覚を持った常識人で、
雪は思っていたよりも随分と複雑な性格をしていました。
良い意味で裏切られた感じ。
こたつのエピソードは相当可愛すぎました。
内容(「BOOK」データベースより)
七つの年にラスベガスのカジノで拾われた芦原雪。自分を拾ったシンガポール華人の令輝から徹底的にルーレットを仕込まれ、雪は一流の腕を持つまでになる。厳しい育ての親とは対照的に、“雪”に名前をつけ、無条件に甘やかそうとするのが令輝の腹違いの弟、藤堂だった。雪にはそれが煩わしくて仕方ない。現在は藤堂が社長を務める東京の公営カジノで働く雪だが、どんなに素っ気なくしても藤堂の態度は変わらず…?
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