きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「銃」 中村文則(河出文庫)
【拳銃のない私は無意味であり、私は拳銃に激しい愛情を向けていた。
が、拳銃は私には冷たかった。】
自分自身を演じることで、周囲とのコミュニケーションを図ってきたニシカワ。
生きることの意味を見出すことができないまま、行き過ぎる時の中で、
偶然手にした拳銃。
その拳銃に依存することで、活気づく世界。
だが、それはまやかしだ。
思い込みと妄想はあらぬ方へと走り出し、
ギリギリのところで踏みとどまったかと思ったのだけれども。
安堵しかけたのは束の間。
最後の最後で突き落とされる。
そして、彼同様に私もつぶやくのだ。
「これは、なしだ」
待ち受ける未来は、破滅でしかない。
内容(「BOOK」データベースより)
雨が降りしきる河原で大学生の西川が出会った動かなくなっていた男、その傍らに落ちていた黒い物体。圧倒的な美しさと存在感を持つ「銃」に魅せられた彼はやがて、「私はいつか拳銃を撃つ」という確信を持つようになるのだが…。TVで流れる事件のニュース、突然の刑事の訪問―次第に追いつめられて行く中、西川が下した決断とは?新潮新人賞を受賞した衝撃のデビュー作。単行本未収録小説「火」を併録。
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