きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「青い約束」田村優之(ポプラ文庫)
【そしてみんな、この先に待っているものをうすうすわかっているのに、
知らない振りをして笑っている】
高校時代のピュアな恋愛。親友。別離。
大人になってからの再会。仕事。病。そして後悔。
生きること。死ぬこと。自らの生き様。次世代に託した未来。
文字通り「人生」が詰まった物語だったと思います。
黙っていられなかったのは、若さ故。
黙して語らなかったのは、相手を傷つけないため。
胸が締め付けられるような痛みと後悔は、
程度の差こそあれ、誰もが感じたことのあるもの。
すべてひっくるめての「人生」。
ラスト、子供たちの笑顔が救いでした。
有賀の語った日本の未来を憂う言葉。
真剣に受け止めないといけない立場の人たちに、是非知って欲しい。
全部を背負った有賀と、何も知らされることのなかった修一。
どちらもそれぞれの苦悩を抱えていた二人が、
「親友」として相対することができてよかった。
「何かを眩しがっているよな微笑み」
有賀の笑い方、とても好きです。
内容(「BOOK」データベースより)
アナリストとして活躍する修一は、高校時代の親友・有賀と再会する。二人の仲を引き裂き、恋人を永遠に奪った“あの事件”からすでに二十年以上の歳月が流れていた…。現役新聞記者ならではの経済問題への鋭い切り込みと、骨太なストーリーで話題を呼んだ傑作が遂に文庫化。
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