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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「恐るべき子供たち」ジャン・コクトー(光文社古典新訳文庫)



粗悪で稚拙な、けれども繊細でただ美しいだけのガラスの城。
それが、彼らの生きる世界。
外界から隔離されたその世界の中でのエリザベートとポールの姉弟は、
いつままでも子供のままで在ることを許される存在で、
だからこそ、子供特有の残酷さと純粋さで他者をふりまわす。
あまりにも無邪気に、あまりにも狡猾に。
それを許容するジェラールと、甘受するアガート。
危ういバランスで成り立っていた4人の交友。
けれども、振りかざされたエリザベートの自己愛は、
その部屋での4人の「遊戯」を終幕へと導くものだった。
来るべくして訪れたカタストロフィー。
彼らは最後まで「子供」だった。

高校生だった頃の私の感想。
「モノクロのサイレント映画を見ているようだった」
うまいこと言ったなーと、20数年後に感心する私(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

14歳のポールは、憧れの生徒ダルジュロスの投げた雪玉で負傷し、友人のジェラールに部屋まで送られる。そこはポールと姉エリザベートの「ふたりだけの部屋」だった。そしてダルジュロスにそっくりの少女、アガートの登場。愛するがゆえに傷つけ合う4人の交友が始まった。

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