きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「黄昏の岸 暁の天」小野不由美(新潮文庫)
「天は何故民を助けてくれないのか?」と叫んだ李斎。
「人は自らを救うしかない」と静かに語った陽子。
そして「天をあてにしてどうする?」と言った泰麒の言葉に、
王と麒麟、そして民の決定的な違いを見た気がした。
運命とは自らの手で切り開くもの。
他者に依存し、祈り縋るだけでは何事も動かすことはできない。
厳しいことを突きつけられるけれども、真理だと思う。
安住の地を飛び立った泰麒と李斎の苦難の道の先に光明があることを願います。
各国の重鎮会議の様相を呈していた本巻。
天敵とみなす氾王と延王のとぼけた掛け合いが個人的に楽しかった。
子どもは大人の言葉をきちんと聞いている。
だから、わからないだろう、と、侮ってはいけないし、
都合のいいことだけを伝えてごまかして、真実から遠ざけてはいけない。
泰麒を麒麟として、国の台輔としてみなすのであれば、
宮中の大人たちは真実を知らせなければいけなかったのだと思う。
内容(「BOOK」データベースより)
驍宗が玉座に就いて半年、戴国は疾風の勢いで再興に向かう。しかし反乱鎮圧に赴いた王は戻らず、届いた凶報に衝撃を受けた泰麒も忽然と姿を消した。王と麒麟を失い、荒廃へと向かう国を案じる将軍は、命を賭して慶国を訪れ、援助を求める。戴国を救いたい―景王陽子の願いに諸国の麒麟たちが集う。はたして泰麒の行方は。
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