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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「水滸伝11 天地の章」北方謙三 (集英社文庫)



動くな、と言われることは、
駆け続けることに生きることの意味を見出した男にとって、
羽を捥がれるに等しいことだったのかもしれない。
「自分の手で成し得なくて、何の志か」
だから駆ける。駆け続ける。
あの時、彼が無言のままでも頷いていたら、
何かが変わっていただろうか?
おそらく、否、だ。
すべて、運命。
どんなに言い争っても、帰る場所は無二の友の元へ。
その想いが痛い。
杜興の自分を全く分かっていない捻くれっぷりと、
彼を語る史進たちのあたたかい目線が実にいい。
気付けば大がかりな戦をするようになった梁山泊。
彼らはこの先、どこに行きつくのだろう?


田中さんの銀英を読んでいた時も思ったけど、
相対する敵味方の数・布陣の仕方・死者の数。
物語を紡ぎだす作者は、脳内でどんなシュミレーションしているのかしら?
「再読して李逵の可愛さに気付いた!」と友達に言ったら、
「李逵ファンが増えた!」と返ってきたので、「いや、そこまでは……」と否定しておきました。
ほら、私の可愛いはムツゴロウさん的なものだし。
すると、更に返ってきたのが「貴女はもっと李逵が好きになぁる。好きになぁる。好きになぁる」
という、妙な念の籠った呪文。
いや、だからないから(笑)
この巻を読了した後にもかかわらず、大笑いでした。←あれ?余韻台無し!?



内容(「BOOK」データベースより)

梁山泊の頭領の対立が深刻化していた。兵力をもっと蓄えたい宋江。今すぐ攻勢に転じるべきだと主張する晁蓋。しかし、青蓮寺は密かに暗殺の魔手を伸ばしていた。刺客の史文恭は、梁山泊軍にひとり潜入し、静かにその機を待ち続ける。滾る血を抑えきれない晁蓋は、自ら本隊を率いて、双頭山に進攻してきた官軍を一蹴し、さらに平原の城郭を落とした。北方水滸、危急の十一巻。

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