きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「妖奇庵夜話 ラスト・シーン」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)
長い物語の着地点に、深いため息。
凛として切なく、胸が軋むような優しさに満ち溢れている。
だけどやっぱりやるせない。
正直「鵺」の介入は私にとってはやっぱり邪魔で。
だけど、その介入がない限り、彼らはずっと苦しんだのかな?とも思えるわけで。
だから彼らは鵺主導の結末にはならないように、精一杯抗った。
彼が得たものは、至上のものだっただろうけれども、
これが最良の着地とは、とても言えない。
一方の彼が失くしたものがあまりにも大きいから。
「ほら、笑ったらどうだい」
彼に関わる全ての人に向けられた言葉。
哀しいわけではない。だけど、反芻して泣きたくなる。
ショートコミックペーパーの内容が刺さる。
ここからはネタバレになると思うので、目を通される方はお気をつけください。
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青目にとっては伊織にこれ以上ない言葉をもらったと思うんだ。
その言葉を抱えて生涯生きていけるくらいの至上の言葉。
或いは、その言葉を抱えて死んでもいいくらいの言葉。
咀嚼したもの以上に大きなものをもらったんだと思う。
だけど、妖奇庵の人たちにとっては胸が痛い現実を突き付けられることになる。
それでも、彼らは伊織の家族だ。
これまで以上の強い絆で共に生きていくのだろう。
伊織はそこに戻ってきたのだから。
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