きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「僕のねむりを醒ます人―Sanctuary―」沙野風結子 (Splush文庫)
二人が共有する過去は甘やかで優しい色あいのものが大半だったけれども。
力ずくで捻じ伏せ、凌辱した最後の一日が、幸せな過去を覆いつくす。
そんな幼馴染の11年ぶりの再会。
感情の起伏が停止してしまった雪弥と自身を壊しかねなかった耀。
二人を繋いだのは、耀の別人格の晧。
彼失くしては、二人のどんな未来も立ち直りも語れない。
二人の幸せを願い、懸命に立ち回った晧の在り様が、切ない。
ああ、だけど、彼が存在するに至った経緯を思えば、
それ以外の選択肢はなかったんだろうなぁ。
穏やかに眠りについた彼を思って涙。
私にとっては彼が主役の物語だった。
だって耀はやりたい放題だっただけじゃん。(極論だけど間違ってない)
とはいえ、主人格は彼だからね。
そもそも雪弥が恋をしたのは彼だからね。
ハッピーエンドのはずなのに、なんだかとても切ない。
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