きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「エデンの東 新訳版 (4)」スタインベック (ハヤカワepi文庫)
ラスト一文を読み終えた瞬間、え!?ここで!
という思いが真っ先に過った。
もう少しだけ、彼らに寄り添いたかった。
彼らのこれからを見届けたかった。
そんな想いが自然と込み上げた読後。
一人の人間が生涯かけて描くことのできる物語は一つ。
自らの在り様は、己にしか決めることができない。
どの選択も、結局は己自身に跳ね返ってくる。
例え後悔に苛まれても、軌道修正することは可能だと、
あのヘブライ語が示している。
諦めるのも掴み取るのも自分自身。
三世代にわたる人々の人生が描かれた物語。
力強く、或は脆く、悲劇的で、或は美しい。
現実を生き抜く術は、どうやったら得ることができたのだろう?
御伽の国のアロン。
彼は最後まで現実世界を直視することができなかった。
ケイトにはもっと強かな女であってほしかったけれども。
彼女の揺らぎは老いのせい……というよりも、自らの行いの跳ね返りなのかもしれない。
父親の愛を求めたキャル。
空まわってしまった愛情の行方が哀しい。
現実を直視していたアブラ。
大人びた彼女の在り様は、迷いがなかった。
そしてリー。
彼の存在なくしては、この物語は語れない。
【ガーディアン必読 67-4/1000】
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