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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「クリスマスの思い出」トルーマン・カポーティ(文藝春秋)



やさしくて、あたたかくて、穏やかな光に満ち溢れる世界。
悪意という言葉の対極にある世界がそこには広がっている。
60歳を超えた彼女と7歳の僕。
無邪気な二人が協力し合って準備をする心温まるクリスマス。
満ち足りた笑顔しか浮かばない、ふたりの世界。
だけど。
僕と彼女との幸せな時間は永遠には続かなかった。
なんだかリアルに現実を突きつけられた気持になる。
ならばせめて、そんなクリスマスを過ごしたことが、
彼にとってかけがえのない思い出となってくれたらいい、と。
そして、残された彼女が寂しくなければいい、と。
心から願ってやまない。


「私はね、今日という日を胸に抱いたまま、
ここでぽっくり死んでしまってもかまわないと思うよ」
満ち足りた時間を過ごせた証のような言葉。
その瞬間に死ねたら幸せなのかな。
その後僕と離されてしまった彼女は、同じ言葉を紡ぐことができただろうか?
そんな問いかけが寂しかった。

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