きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ソラリス」レム (ハヤカワ文庫SF)
彼の抱いた恋情は、眼の前にいる彼女に対する純然たる愛ではなかったはずだ。
かつての彼女に対する想いの残滓。或は、贖罪。
一方、彼の記憶から生み出された彼女は、ただ、そこにいただけ。
彼女はソラリスの海が生み出した有機体に過ぎない。
だが、ならば、彼女は何故あの選択を?
彼はその場所で何を待ち続けている?
種の異なる二人であっても、
二人だけにしか築けなかったものが、確かにそこにあった。
だからこそ、読後の余韻は「寂しい」の一言に尽きる。
それは私のセンチメンタル。
私の記憶の中からは「誰」が生み出されるのだろう?
ちょっと知りたい。
スケールの大きさ……というよりも、学者たちによる「ソラリス論」の変遷と論旨が明確過ぎて
すごいわ~~、と、なりました。
そっちの骨組みをきっちり立ててから物語を書き始めたのかな?
物語を書きつつ、組み立てていったのかな?
起承転結の「起」をすっとばして始まったかのような展開に「ん?ん~~??」と
もたついたのは最初だけ。
一気にのめり込んでしまうおもしろさでした。
【ガーディアン必読 81/1000】
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