きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「一九八四年」ジョージ・オーウェル(ハヤカワepi文庫)
破壊される言語。書き換えられる歴史。
一体何が真実で、何が虚構なのか。
同じことがいま自分たちの身の周りで行われていても、
果たして気づくことができるのだろうか?
答えは多分、否、だ。
「戦争は平和なり」「自由は従属なり」「無知は力なり」
どういうこと?と思ったスローガンを唸るように納得させてしまう論説に圧倒された。
これが1948年に書かれた文書であるということには、ただ感嘆するしかない。
ウィンストンを追い詰めていくオブラエンのやり方には背筋に薄ら寒いものが走るけれども、
それが効果的な手法であることは認めざるを得ない。
自由意思で謳歌することにのできない人生に何の意味があるのか?
と、問いかけたいところだけれども。
ウィンストンと同じ境遇に置かれたとき、
果たして自分はその問題提起を掲げることができるのだろうか?
即答できなかったことに、愕然とした。
内容(「BOOK」データベースより)
“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。二十世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場。
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